二人制審判の勉強



(11)二人制審判の球審編(4)

首都圏野球審判協会・二人制システム勉強会

トップページへ
前ページへ



 先日「ストライク1」「ストライク2」は腕を横に出し、人差し指でダーツを投げるようなコール&ジャッジを初めての人にやっていただきました。
 写真のようにとても決まっていました。初めての体験には見えませんでした。


写真1

 なぜ、初めてなのに違和感が無くできたのでしょうか。それはこの「二人制システム勉強会」の内容を読んでいるからです。それと日常のトレーニングではないでしょうか。ご本人は謙虚に「慣れないと難しい」と言っていました。

 相当にトレーニングをやっていたのではないでしょうか。その証拠に「アウト」のコール&ジャッジも「ビッシ」と決まっていました。


写真2

 永年にわたりつちかってきたスタイルを変えるということには、個人差はありますがそれなりに「抵抗」があると思います。
 ストライクのコール&ジャッジを「こぶし」を握り締めて、手を上げるスタイルはメジャーではほとんど見受けられません。日本のプロ野球でも減ってきていると思います。
 この2カ月近くの体験の中での感想を2、3人の人に聞いてみました。
「以前のスタイルより疲れない」
「こぶしを握り締めるスタイルよりリラックスが早く取れる」
「なぜかボウル(球)に集中できる。よく球が見えるようになった」
「もっと腕を上げるようにしたらどうか」
 等の感想が語られました。

 一つ一つ「検証」してみますと面白い結果が出るのではないかと思います。

 球審がこぶしを握ることは、打者・走者は「アウト」であるということを徹底できれば、昨年の高校野球・神奈川予選での「振り逃げ3ラン」のようなことは起こらないのではないでしょうか。

 とくに二人制システム審判は分かりやすいコール&ジャッジが求められます。球審・塁審の動きが明確なほど次の行動に移れます。

 先週、走者1、2塁でレフトへ「イージーフライ」が上がりました。グラブに入って「キャッチ」したかと思われましたが落球しました。もちろん「ノーキャッチ」のコール&ジャッジしました。

 ところが選手から「捕球してそのあとの送球動作で落としたのだから捕球だ」との抗議が来ました。

「ハイ。ハイ、それを決めるのは審判員です。ノーキャッチです」で一件落着です。

 ここでやってはいけないことは間違っても球審に相談しないことです。責任分担は塁審にあるからです。

 球審の仕事は1塁の触塁確認と、「ノーキャッチ」のコールを聞いた後に走者がホームへ来ることを予想することです。

 試合後に球審に「あのレフトフライ見えました」と聞きました。
 答えは「それは貴方の仕事」とつれない返事。

 二人制システム審判はそれぞれの「仕事分担・役割分担」を明確にしながら、その上で「助け舟」を出さないといけません。

 何事も新しいことに「挑戦」するには、その答えを早急に出してはいけないと思います。いろいろな人の意見を聞き、それを実践で試みることが大切です。


(2008年5月15日)


トップページへ
前ページへ