二人制審判の勉強



(16)修正と切りかえの早さ

首都圏野球審判協会・二人制システム勉強会

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 東京ドームでの二人制審判の出来事です。走者なしの場面です。打者・走者はライト前にヒットを打ちました。塁審は打球を追いボールがセカンドを戻るのを確認いたしました。

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 その時です。打者・走者と一塁手が接触いたしました。球審はタイムをかけ「オブストラクション・走塁妨害」を宣告しました。
簡単な相談の結果「走塁妨害」がなくても二塁へいけないことを1塁上付近で球審と確認をいたしました。

 さてここから起こった誤りです。塁審は本来ならば1、2塁間に移動しなければいけないのに1塁後方に位置してしまいました。すでにプレーがかかり1、2塁間に戻れない状況になりました。

 なぜ1、2塁間に移動しなかったのでしょうか。それは「オブストラクション」で走者と1塁手への怪我の気遣いなどをしているうちに「プレー」がかかってしまったからです。さっさと行けばよかったのです。

 相棒とはよく「二人制」のコンビを組む中です。やはり東京ドームという雰囲気がこのようなフォーメーションの間違いを起こしたのではないでしょうか。

 1塁後方に位置してしまった塁審は、もう1、2塁間には戻れません。とっさにダブルプレーを想定して、やや前進して線上に位置しました。

 次の打者・走者は初球を3塁ゴロです。塁審はすぐに1、2塁間に切り込み判定に備えました。結果は想定どおり2塁アウト、1塁アウトのダブルプレーです。

塁審は華麗にはコールできませんでしたが、1、2塁間に切り込んだことにより説得力のある判定が出来ました。

 このダブルプレーを仮に1塁後方で行っていたしたら二塁の触塁が確認できません。何のための二人制審判か分かりません。全く説得力のない判定・コールになってしまいます。

 二人制審判を行っておりまして、このような塁審のフォーメーションの間違い、また球審の位置取りの間違いなどがあります。その時にこの間違いをどのように「修正」するのかも大切なことです。

 決して「パニック」にならずに間違いを引きずらないことです。瞬時の「開き直り」も時には必要になります。

審判員の特技はものごとを「瞬時」に判断する能力です。結果がよければ「よし!」と切りかえの早さです。「瞬時」に判断する能力が健康と若さ?の秘訣でもあります。

 余談になりますが、審判員に適した血液型は「O型」だそうです。何事にもおおらかで、こだわらないそうです。まぁ別の意味では「いいかげん」ともいえますね。

 われわれの「二人制審判」の観客は東京ドームでも48人ぐらいです。プロ野球は4万8千人にもなります。いくら血液型がO型でもプロの審判員には「プレシャー・ストレス」は針のようにに刺さるのではないでしょうか。

「二人制審判」も東京ドームのような大舞台を踏むことにより成長していきたいと思います。


(2009年4月1日)


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