二人制審判の勉強



(21)UDC・2人制デモンストレーションに参加して

Y・T審判員 

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 首都圏野球審判協会にお世話になり、早3年が経過しました。最近は2人制の審判を担当することも多くなってきており、2人制の基本であるピボットターン、ワーキングエリア内の動きも様になってきています。

先輩審判員のご指導により、コールのタイミング、声、ジャッジの仕方、プレーを見る角度・距離等もだいぶ身についてきました。


写真
ここで3月〜11月まで準硬式二人制審判を行っています

2人制審判では、毎回パートナーの先輩審判員からはいろいろとご指導頂いていますが、勉強のため、先日UDC主催の2人制審判デモストレーションを見学してきました。UDC専属インストラクターのジャッジは初めて拝見します。

見学をして思ったことは、審判の動き(スピード)が違うことと、下記の4つです。

(1)的確なジャッジ
(2)判定する位置まで早く、しっかりと止まって判定する
(3)角度の取り方(距離&角度)
(4)コミュニケーションの取り方

(1)的確なジャッジは、ストライク・ボール、アウト・セーフの判定全てに言えることですが、声やコールのタイミングが自信を持ってジャッジしている事により、監督や選手、観衆に不信感を与えていないと感じました。

一緒に見学していた選手達が、「あの審判、自信あって凄すぎ。文句言えないな。」と言っていました。

(2)判定する位置まで早く、しっかりと止まって判定するでは、B角度の取り方と重複するところもありますが、外野に飛んだ打球に対する捕球を的確に判断するため、判定できる位置まで早く行って、しっかり止まることにより余裕を持ってジャッジしていることです。

(3)角度の取り方(距離&角度)では、送球に対する角度はもちろん、2塁・3塁への盗塁でも、見やすい距離へ「一歩」が出ていることに関心しました。距離を詰めることにより、説得力のあるジャッジができます。

最後に(4)コミュニケーションの取り方が、一番収穫がありました。
野球はランナーの有無、アウトカウント、ボールカウント、打球方向により判定するシチュエーションが幾つもあります。状況に応じた判定をより的確にジャッジするには、パートナーとのコミュニケーションが大事です。

状況に応じ、お互いシグナルをこまめにやり取りしていました。またアイコンタクトや声出しもしていました。これも2人制審判の基本メカニックが理解しているからできることであると感じました。

こんな場面がありました。ノーアウトかワンアウト1塁の時です。打球が一塁手後方へ上がりました。明らかなフェア打球です。一塁手と右翼手が捕球に行きます。一塁手が背面キャッチで捕球しました。打球の上がり方、捕球の体勢から捕球確認に塁審が行くと思ったのですが、球審が行きました。

一瞬の判断(アイコンタクト)だったと思います。球審は念のため、フェア・ファウルの判定も兼ねて、1塁ライン上を駆け上がります。塁審はノーキャッチに備え、2塁方向へ体制を整えます。

後からこのような説明を聞いた時に、なるほどと納得しました。

ランナー1塁の時、ライト方向へヒットが飛んだ場合、球審は3塁ベースのタッグプレー、塁審は打者走者の1〜2塁間のタッグプレーに備えるメカニックを取ります。
この時も球審は塁審に対して、『3塁O.K』と声を掛けて3塁ベースへ走りました。分かっているメカニックでもパートナーに対してコミュニケーションを取っていました。

またスリーストライク目のファウルチップの捕球に関しても、ノーバウンドで捕球なのか、バウンドしているのかのシグナルも球審に対してさり気無く送っている事にも関心しました。

今回の見学は有意義な時間を過ごさせて頂きました。球審、塁審の役割分担ではなく、お互いの動きを見極めて、プレーの予測を読み、「2人居るだけ」の審判をするのではなく、「これぞ2人制審判の醍醐味」と思えるような審判を心掛けて、これからも審判に励みたいと思います。

まだまだ上達したいと思っています。首都圏野球審判協会の先輩審判員の方々、これからもご指導、ご鞭撻の程、宜しくお願い致します。

(2010年11月1日)


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