「サタデーリーグ」トップページへ
前ページへ

審判員の利き目・眼(2)


臼井審判員  


 両手の人さし指と親指をあわせて三角形を作ってください。1m〜2mの近くの物に焦点を合わせてください。便宜上「ボール球」といたします。そして三角形はストライクゾーンと想定してください。

 まずは三角形に顔を正対してください。次に両眼で三角形からボールを見てください。ボールが三角形の中に入っているか確認をしてください。ストライクゾーンの確認と考えてください。

 次に左眼を閉じて右眼だけで三角形からボールを見てください。両眼で見た時との違いを確認してください。利き眼が右の人はボールの位置は両眼で見たときとほぼ変わらないと思います。

 同じく右眼を閉じ左眼だけで三角形からボールを見てください。大きくボールがずれて見える人は利き眼が右眼になります。その反対に見える人は利き眼が左眼になります。

 千人に一人ぐらいの割合で、三角形からボールを見た時に右眼、左眼も同じに見える人がいます。三角形からのボールが両眼で見た時と全く同じに見えるそうです。

 先日、投球練習の時に右眼、左眼だけでボールを見ました。結果は利き目であります右眼でみますと両眼で見た時とほぼ換わりません。左眼で見ますとボールが非常に見えにくくなりました。

 ここで新たな発見をいたしました。片目でボールを見ることにより、ボールがミットに納まるまで見なくてはならないということです。これは両眼でボールを見るときの基本であります。

 ミットにボールがとどかない前から「ストライク」「ボール」を決めてしまう欠点を修正できます。

 選手の皆様も利き目だけで「ティーバッテング」などをやってみてはいかがでしょうか。「打撃開眼」で打率が上がるかもしれません。保障の限りではありません。

 それでは前回の「スロットスタンス」について写真で説明いたします。



写真[1]


 写真[1]は右打者の球審のスロットスタンスです。(注)モデルにはオーバーに寄っていただきました。
 球審の頭の位置を見てください。捕手の頭上に頭があり、左側に寄っております。次に捕手のミットに納まっているボールを見てください。アウトコース(外の球)ギリギリのストライクです。利き目が右ですとこのボールがとてもよく見えるのです。



写真[2]


 写真[2]は左打者の球審のスロットスタンスです。
 球審の頭の位置は右打者の反対になります。ボールはアウトコースのストライクです。審判員の利き目が左眼の場合はこのストライクがよく見えます。反対に利き目が右眼で左眼の視力が弱いと見えにくくなります。

 とくに打者がボックスラインいっぱいに構えたり、捕手が極端に左右に移動したりする場合は写真[1]も写真[2]もボールが見えにくくなります。それには臨機応変にスロットスタンスを対応してはいかがでしょうか。

 ボールを両眼でしっかり見るにはどうしたらいいのか、基本は大切にして、各人の身体能力などを考慮して、型にこだわらず正確なジャッジを心がけたいものです。

 本題にそれますが、先日、左バッターの人に利き目のテストをしていただきました。まだ5、6人のテスト結果ですが、やはり利き目は左眼でした。ところが、右投げ左打ちの人で利き目が右眼の人もいました。これは打者としては理想的と言われております。

 それは投球を見る眼が球筋に近い目だからです。いわゆる利き目が右眼の左打者の場合は、球筋がよく見えるのではないでしょうか。イチローの利き目がどちらなのか興味がありますね。

 審判員の利き目・眼は、あくまで持論であります。他の方の投稿を歓迎します。

 次回は、利き目と動体視力について考えて見たいと思います。

(つづく)


(2008年2月1日)


「サタデーリーグ」トップページへ
前ページへ