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●「ルールへのこだわり」返書

[篠原 正孝]  

 先日はさっそくの返答を頂きまして、ありがとうございました。
実は私も一度、8.05(l)が適用されたケースを見たことがあります。都市対抗予選の敗者復活戦で、負けた方はそれでおしまいという大切な試合の9回表でした。しかも同点の場面でした。金属バットの社会人ですからノーガードの打ち合いが当たり前ですが、その試合は私好みの投手戦でした。

 ただ、ボークが科されて勝ち越し点が入ったことで、試合はまったく壊れてしまいました。その回に5点入ったのです。その後しばらく、敬遠のときには、双眼鏡を取り出して、キャッチャーの足に注目していました。キャッチャーの足がボックスの外の地面を踏んだときに双眼鏡を外すようにしたのです。こうすれば、双眼鏡を外して視界が広がったときに、ピッチャーがボールを保持していれば、8.05エルに抵触しているとわかります。

 もちろん臼井さんのおっしゃるとおり、たいていの場合ラインは消えていますが、ラインを引くときの目印になる植木のようなものがありますよね。あの「植木」で判断しました。私の観察では、リリース前にボックスの外に完全にはみだしてしまうケースを多数みかけました。双眼鏡など必要としない事例もあります。ただ、私が見ているのは、プロ・社会人・大学・高校・シニアです。女子の軟式も見ていますが、まだ敬遠の事例には当たっていません。

 臼井さんがそうおっしゃるのなら、草野球のキャッチャーは露骨にボックスから出ないということなのでしょう。ただ、シニアでそういう事例があったということがわかっただけでも大きな収穫です。どうも、ありがとうございました。

朝晩冷え込む季節になりました。どうぞご自愛ください。

2000年10月





●野球・ルールへのこだわり

[臼井 淳一]  

 先日ある人からこんに質問がメールできました。
 唐突で申し訳ありませんが、審判をなさっているということですので、お尋ねしたいことがあります。規則8.05(l)のいわゆるキャッチャーボークについてです。1)敬遠のときにキャッチャーの両足がボックスから出ていたら、球審である臼井さんはボークを科しますか?
 2)その際、仮に私が攻撃側監督で規則9.02(b)に基づき、「規則適用を誤っているのではないか」と指摘した場合、臼井球審はこれを退けることができますか?

 それに対して(質問とは少し違いますが)
 私の息子がシニアリーグ(中学)の試合見学のとき、ランナー2、3塁、2アウト、最終回2−1で息子のチームが負けておりました。息子がバッターで、捕手がボックスはずして投球を受けました。球審「ボーク」で1点が入りました。守備側からは何の「抗議」もなく、息子が打ちサヨナラ勝ちしたことがあります。

 わたしも、このときの体験から「故意4球」に気をつけてみておりますが、今までの経験の中では、明らかにボックスをはずした捕手はいません。また、線が消えていてセンチ単位では判断できません。

 明らかにはずしていた場合はボークをとりますが、その前に「注意」を1度いたします。「即ボーク」はとれません。
 「ボーク」を取ったあと、守備側から「抗議」がきた場合は、「捕手はどこにいてもいいのですか。極端な例ですが、スクイズをはずすために捕手は1塁方向で投手からの投球を受けていいのですか」と説明します。

 野球のルールは一般社会の常識と考えると、なーるほどと思うことがあります。こんなこたえでいいですか。と回答しておきました。

 この人は、「規則8.05(l)のいわゆるキャッチャーボークについて」に非常に「こだわり」をもっています。私はとてもいいことだと思います。

 「スポーツマン・シップにもとづき正々堂々…」と、野球もそうなのですが、ルールの盲点をついていろいろな姑息なことを考える最たるスポーツが野球なのです。それも高校野球に多いと聞きました。1つの例題ですが、昔、スクイズを完全に防ぐため、はずす投球は「打者の背中になげろ」と指示したのは高校野球の監督です。これでは打者はスクイズのサインが出ていても100パーセントボールにバットを当てることはできません。(ルール改正でボークになりました)。

 プロ野球でも「危険球」が話題になります。そもそも野球は危険なスポーツなのです。バットやボールが飛んできて「観客」さえも巻き込まれることがあります(サッカーの暴動はただ観客が暴れているだけです)。それだけに一般常識が要求されるスポーツだと思います。また、野球規則以外にも「内規」が多いスポーツも野球です。当リーグにもあります。逆にそれだけ楽しいスポーツなのです。
 これからも「野球規則」や「内規」にこだわり、かつ「楽しく」やっていきたいと思います。

2000年10月





●「移動ベース」へのアドバイス

[臼井 淳一]  

 球場によって固定べースと移動ベースとまちまちですが、本来ベースは固定されているものなのです。一塁ベースなどは固定されていますと、一塁手もとても守備がしやすいと思います。また、二塁、三塁への盗塁は走者が走りやすいと思います。実は審判員も固定ベースですと判定がしやすく、ベースを蹴っ飛ばしたりしていちいちタイムをかけなくてすむのです。 

 ベースの正しいサイズは、細かい数字ははぶきますが、固定ベースが正しい大きさ、厚さです。問題なのは移動ベースです。あきらかに小さかったり、新聞紙みたいに薄かったり、ちょっと踏んだだけで動いてしまったり、こういうベースを置いておく管理者は、ベースは目印でいいのだ、あるだけありがたいと思いなさい、という感覚です。

 移動ベースでプレーをする時に注意をして欲しいのは、ベースにこだわらないことです。特に一塁ベースなどは、小さいベースだったりするときは、2本の足がクロスするのですからけがの原因にもなります。今後、小さい一塁ベースに限っては白線を引きその中に足が残っていればいいのだ、とか工夫をしたいと思います。

 また、2塁、3塁への盗塁は、ベースにこだわり、スライディングが思うようにできない選手がいます。このような時はベースを蹴っ飛ばして、ベースのあった位置に体の一部を残して静止してください。そうしますと判定がしやすいのです。

 固定ベースと移動ベースと、どちらのほうがけがが多いと思いますか。実は移動ベースの方が多いのです。それはベースにこだわりすぎて無理な体の動きをするからです。移動ベースでプレーをするさいには、ベースは固定されているものだ、と思ってしてください。

2000年9月1日




●久しぶりのテレビ観戦

[臼井 淳一]  

 今日(13日)久しぶりに高校野球をテレビ観戦しました。東海大浦安対延岡学園の試合です。とてもテンポの速いゲームで2時間はかかりませんでした。審判員を中心にみておりましたので、気になる点がおおく、長く感じられました。まず、ストライクゾーンのばらつきが目立ちました。アウトコースの球はストライクを取ったり、取らなかったり、インコースも甘く取っていました。また、低めギリギリのストライクをボールとコールしていました。

 試合の結果は東海大浦安が2−1で勝ちましたが、審判員がもう少し「正確」に判定して欲しかったと思いました。敗れました延岡学園は「悔いが残る」試合だったのではないでしょうか。そんな感想を率直にもちました。
 とくに投手戦といわれる試合は、「試合の山」が少ないようで、実はおおいのです。審判員の一球の判定が勝敗につながることもあります。投手戦は“正確”にボール、ストライクを判定することが要求されます。

 “正確”な判定とは、いろいろな意見があろうかと思われますが、まず、ストライクゾーンを固定することです。私は「刑務所の窓」みたいに「小さく」しないように心がけています。ストライクゾーンはボールが28個入る所と一般にいわれておりますが、いちど皆さん28個のポールを単純にベースに置いてみてください。意外とストライクゾーンは広いのです。(28個が縦です)

 高校野球のテレビ中継が終わり、すぐ巨人―広島戦をみました。やはり審判員を中心に見てしまいました。プロの審判員はうまいとあらためて見なおしてしまいました。私は審判員の背中を見るようにしています。テレビでは正面からしか映しませんが、球場では、内野席からは背中がよく見えます。プロの審判員は背中にスキがありません。それだけ集中しているのです。

 わたしも、自称「セミプロ審判員」です。が、あちら、こちらスキだらけです。ただ、ただ一生懸命やっているだけです。
 先日、あるチームの方から「大変なご職業ですねー」といわれましたが、私は野球の審判は職業ではありません。ただ、そういわれまして、なんとなくうれしかったです。これからもよろしくお願いします。

2000年8月15日

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