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審判マスクを考える


首都圏野球審判協会


 『ファウルチップが私のマスクの隙間から、左の眼球部分に飛び込んできました。一瞬何が起こったのかわからず、自分の勘違いでマスクをしないままの投球判定かと思ってしまいました。左目を押さえ、うずくまりました。はずしたマスクの内側にボールが入っていました』

 『現在、痛みはないのですが下瞼にアザができました。左の目の周辺が腫れぼったく、視力は変わりないものの、ボーっとした感覚です。何者かにパンチを食らったかのようです』

 上記の報告が11月4日にA審判員から送られてきました。早速、全審判員に下記の「質問メール」を送りました。

 『ここ3年間に軟式ボールが審判マスクに挟まったか、それにより目を傷めた方がいましたら知らせてください』

 この質問に対して6名の方が「マスクにボールが挟まった」という回答が寄せられました。U審判員は今年に入り3回も挟まり、マスクからボールが抜けなくなる状態も1回ありました。

 眼までボールが直撃したのは今回のA審判員が初めてです。

 軟式マスクを使用している人は、ほとんどボールがマスクに挟まっておりません。また、硬式マスクを使用して硬式試合・準硬式試合では、現段階では一度もボールはマスクに挟まっておりません。

 審判マスクには硬式用・軟式用があります。スポーツ店で「硬式・軟式に併用しても大丈夫です」と言われた審判員もおりました。

 A審判員もU審判員も硬式マスクを使用しています。硬式マスクと軟式マスクを比べてみますと、硬式マスクは「眼の位置のフレーム」が少し広いことが判明いたしました。

 質問に『ここ3年間に軟式ボール』と書いたのは、軟式ボールが4年前から変わりました。いわゆる「飛ぶボール」になりました。ボールも硬く、少し重たくなりました。

 審判マスクに当たる衝撃も、以前の「軟式ボール」に比べて強くなりました。時には後頭部に軽い「脳震盪」を覚えることもあります。

 また、ボールが硬くなりましたので、スローカーブのファールチップなどは「歪み」が肉眼で見える時もありました。その「ゆがんだボール」がマスクに入ってくるのではないでしょうか。

 某メーカーにボールがマスクに挟まることを質問したところ。
『マスクには硬式用・軟式用と明記してあります。それぞれの用途に従い使用してください』という回答でした。

 われわれ審判員の中には、軟式ボールが「新球」に移行して硬くなり、マスクに当たる衝撃が強いので硬式マスクにあえて変えた人もいます。

 また、軟式・硬式マスクを使用しても、軟式ボールがマスクに入ることなど思っていなかった人もいます、

 メガネをかけた審判員が硬式マスクを使用して、軟式ボールがマスクに飛び込んで来たら、メガネが割れて失明する危険性もあります。

 「用途に従い使用」ではすまされません。「硬式用マスクは軟式野球に使用しないでください」と明記すべきではないでしょうか。

 審判マスクの利用者は圧倒的に多いのは軟式野球です。マスクメーカーは硬くなりました軟式ボールに対応できる「安全なマスク」を作って欲しいと思います。

 このことを別なスポーツメーカーに報告したところ。
「私どものマスクには注意書きなどは書いておりません。お客様には硬式用マスクです。と申し上げています。とても貴重なお話ありがとうございました。参考にさせていただきます」とても対応が丁寧でした。

 なお「審判マスクを考える」は他の審判団体・個人のご意見もお聞きしたいとおもいます。「野球質問掲示板」への書き込み、または首都圏野球審判協会宛てにメールで送ってください。よろしくお願い申し上げます。

【注・マスクメーカーの公表はきちんと調査しておりませんので控えさせていただきます】



(2008年11月15日)


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