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09メジャーリーグ観戦紀行(8)


 St.Petersburg & Tropicana Field

K・O審判員


7月31日(金)

 車中に流れる『The Boys of Summer』。車は国道275号線をタンパからセント・ピーターズバーグへ向かう途中のタンパ湾に架かる『Howard Frankland Bridge』を55マイルのスピードで快調に走る。
 燦燦と輝く太陽(サンサンだから太陽に決まっているって?)心地よい風、紺碧のタンパ湾。

行程
タンパからSt.Petersgurgまでの行程


 宿泊先のタンパ、デイズ・インからタクシーを仕立て、ヤンキースのスプリングトレーニング地の『スタインブレーナー・フィールド』やアメフトのタンパベイ・パッカニアーズの本拠地を廻り275号線に入る。
 今は、タンパ湾のホワード・フランクランド・ブリッジを走る。

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ヤンキースのキャンプ地George M. Steinbrenner Field(タンパ)

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NFLタンパベイ・パッカニアーズの本拠地
Raymond James Stadiuum(タンパ)


小生:『運転手さん、これFM?』
運転手:『イヤ、違う。短波のレゲーチャンネルだ!』
小生:『良かったら、ロック・チャンネルに変えてくれない?』
運転手:『OK、いいよ!』
 途中、タクシーのドライバーとこんな会話があって、流れてきたのがこの曲『The Boys of Summer』のメロディー。元イーグルスのドラマーだったドン・ヘンリーが1984年にリリースし全米5位を記録。グラミー賞の男性ベスト・ロックボーカリストにも選出。翌85年には『ビルボード年間チャート100』の53位にランクされたロックンロール・ミュージック。日本でもヒット。

 『人影のない通り、誰もいいない海。過ぎ去った夏よ。沈んでしまった太陽。君が家にいないと分っていても車を走らせる僕』と、まぁこんな内容の失恋の歌?エイト・ビートの軽快なリズムに乗って歌うドン・ヘンリー。
 小生の身体も自然とスィング、スィング、スィング。
セント・ピーターズバーグへはタンパから国道275号線を西へおよそ40分、チップ込みで55ドルを支払う。

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Howard Frankland Bridge(タンパ湾上)を渡る。


 今日はツアー最後の試合、セント・ピーターズバーグのトロピカーナ・フィールドでのタンパ・ベイレイズ対カンサスシティー・ロイヤルズ戦。
 トロピカーナ・フィールドへは市内から無料バスが出ており5、6分くらいで球場に到着。歩いてもいける距離。

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St.Petersburgの3rdストリート

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ダウンタウンの様子。車も人も少ない。


 ちょうど昼頃、ニュヨークに本店を構える『Oyster Bar』を発見。
 この店で昼食をとることに・・・。店の入り口は間口一間くらいだが店内は意外と広い。右手にあるテーブル席が奥まで続き、左手にはカウンターが設置。このカウンター席に座り、先ずビールを注文。のどの渇きを癒す。
 それにクラム・チャウダーと『カキの三種添え』をオーダー。支払いは現金でと思ったが、今回の旅行で初めてマスター・カードで清算。現金を出さないので少し得をした気分に??

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Oystar Barの店内。昼時にもかかわらず空席が多い

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この店の名物クラム・チャウダー。うまい!

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カキのはやせていたが、これもうまかったなぁ。
ビール、クラム・チャウダーにこの料理の合計額、約22.5ドル。


 食後、海の方向へ歩いていくと、そこはセント・ピーターズバーグ湾。多くのヨットやクルーザーが係留。ベイ・フロントには今年設立100周年を迎えたセント・ピーターズバーグ・ヨットクラブの建物が建つ。

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ウォータフロントにあるStピターズバーグ・ヨットクラブ
1909年に創立され今年100周年を迎えた。

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ヨットクラブの前にあるHampton Inn & Suites


 ホテル、ハンプトン・イン前からダウンタウンを一周する『Looper』というトロリーバスに乗車。25セントを払う。65歳以上はたったの10セント。
 先ず訪れたのは『The Pier』 ここは湾に突き出た観光スポットだが店数が少なく少々ガッカリ。

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ルーパーから見た『ザ・ピアー』何か良いみやげものを期待したが・・・。


 このルーパーは『Museum of History(歴史記念館)』、『Renaissance Vinoi Resort』、『Museum of Fine Art/Beach Dr(現代美術館)』
 『Bay Walk』、『Florida Holocaust Museum(フロリダ虐殺博物館)』、『Salvador Dali Museum(サルヴァドーレ美術館)』などを巡る。
 一番の興味はやっぱりショッピング。『Bay Walk』(ショッピング&レストラン)へ行く。友人が半額になっていた半袖のプリントシャツを買う。

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ピアーからダウンタウン(西方向)を望む

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ピアーの北側にあるVinoi Renaissance Resort方面の眺望。

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4th Streetと5th Ave.の交差点にあるセント・マリー教会

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ピアーへ行く途中の歴史記念館前庭にある『2008年、レイズのリーグチャンピオン記念碑』

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やしの木とBank of America Tower 。


 ここはプログレス・エナジーパーク。セント・ピーターズバーグのダウンタウンのベイエリアに面した客席7227席の天然芝のスタジアム。
 2008年までは地元タンパ・ベイレイズのスプリングトレーニング地として使われていたが、現在は多くのチームが併用。前身のセントピーターズバーグ・アスレチックスパーク時代にはボストン・ブレーブズとニューヨーク・ヤンキースのトレーニング地として第二次世界大戦後まで使われていた。
 ベーブ・ルースやルー・ゲーリッグ、スタン・ミュージアル等と共に多くの選手がここで練習する姿が見られたという。

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St.ピターズバーグ・ヨットクラブの南側に位置する
Progress Energy Parkの外壁。

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プログレス・エナジーパークの得点板

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スタジアム規定。大体どこも同じよう。
アルコール購入の際は身分証明が必要。


 今日の試合は19時10分からのナイトゲーム。
 少し早いが、シャトル・バスで球場へ・・・・。
 今夜もチケットは現地調達。ライト側アッパーデッキ席を16ドル購入。本塁は遥か彼方・・・??

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シャトル・バスの停留場。無料。スタジアムまでは5分くらい。歩いても行ける距離

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こんな記念碑が通りのいたるところにある。 1927年、ヤンキースが110勝。B・ルースは60本塁打を記録。ワールド・シリーズに優勝。L・ゲーリッグがMVPを受賞

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目抜き通りに飾られたRaysの旛


 一階のチームストアーでロンゴリアのロゴが入ったマスコット人形を買う。友人は何やらおみやげ物を物色。ここの店は狭い上に、品揃え(品種も数も)も少なく、サイズ切れがかなりある。特に人気選手のアパレルの小さいサイズがない。100ドル以上の買い物をするとレイズ特製のバック・パックがもらえる。友人はこれをゲット(ロンゴリアグッズを中心に150ドル位買ったようだ)

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レイズの本拠地、トロピカーナ・フィールド

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今夜のチケット16ドル(税金1.05ドル含む)

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アッパーデッキから見た本塁方向。観客が少ない?


 ロイヤルズは日本ハムファイターズの元監督トレイ・ヒルマンが指揮を取る。一方のレイズは昨季A・リーグを制したジョー・マドン監督。
 レイズには日本人プレーヤーの岩村明憲選手がいるが怪我のため戦列を離れ、二塁にはベン・ゾブリストが入り4番を打つ。ゾブリストはカール・クロフォードと並んでレイズの3割打者のひとり。
 マーリンズと並んでレイズにも若手の有望な選手が多くいる。B.J.アプトン(CF)、エヴァン・ロンゴリア(3B)、前出のベン・ゾブリストとカール・クロフォード(OF)、ディオナ・ナバーロ(C)、マット・ガーザ(P)、スコット・カズミアー(P)、アンディー・ソナンスタイン(P)、そして鳴り物入りで入団したデービッド・プライス(P)など数えたらきりがないほど。それだけ未知の可能性を秘めている。ただ残念なことに、ベテランが不在でチームをまとめる大黒柱がいないことがネック。

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中堅のジェイソン・バートレット遊撃手。スタジアムで配られたレイズのオフィシャルブック。

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粉末シュガーをかけたフライド・プレッツェル。フワフワな食感。これも美味!

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傘が開いたような骨組みが特徴のスタジアム内。


 今夜の試合はロイヤルズがシドニー・ポンソン、レイズはプライスをたて両投手の投げ合いで始まる。

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試合前の国家斉唱。全員が起立し国家を歌う。

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バックスクリーン方向を展望。眼下はファウル・テリトリーにあるレイズのブルペン。


 オヤ?今日の審判はどこかで見たことがあるぞ・・・。
そうだッ、ニューヨークでみたチャーリー・レリフォードがチーフを勤めるクルーG。このクルーはメジャー歴19年のチャーリーをはじめ四氏の呼吸が非常に合っている。いわゆるアウンの呼吸か?すばらしい!
 球審C・レリフォード、一塁L・ヴァノヴァー、二塁S・ホルブルックそして三塁はD・アイアソーニア。 途中、塁審の一人が(誰だか不明)ケガ(?)で退場。おかげで三人制(アンパイアー)を見る機会に恵まれた。

  二塁のダン・アイアソーニアが三塁に廻りThree Man Systemの始まり。小生たちがやるスリー・メンとはちょっと違うが動きは鋭い。
 走者なしの時、球審のチャリーを本塁に固定し三塁のダンが浅くゴーズ・アウトした後、すばやく二・三塁間にカットインし二・三塁でのプレーに対応。一塁塁審をスライドさせない変則システム。ダンが一人で動いているよう・・・・。アイコンタクトやハンド・シグナルでクルーと会話(?) 単純な動きのようだがかなり高度なスキルを持つダンに釘付け。さすが審判学校を主席で卒業しただけのことはあると感心。

 本来、走者なしで三塁塁審が『ゴーズ・アウト』した時、一塁塁審はピボット・ターンし打者走者の一塁触塁と走塁妨害の有無を確認。
 打者走者と共に二・三塁へスライドしプレーに対応する。球審は本塁に留まり、プレーを注視するのが三人制のメカニクス(打者走者に対するプレーの判定は一塁塁審の責任分担で、球審は本塁でのプレーに対応する)

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レイズの攻撃。走者一塁、打者E・ロンゴリア。球審チャーリー・レリフォードはボックス・スタンス。三人制。走者一塁での三塁塁審、ダンの位置取り(一・二塁間に位置)に注目。


 試合はレイズ打線がロイヤルズ投手陣に本塁打2本を含む12安打を浴びせ8対2で快勝。ロイヤルズのポンソンは被安打8で失点7、4回1/3で135球を投げ降板。コンディションも最悪な状態で今季7敗目(1勝、防御率7.36)を喫す。勝ち投手はデービッド・プライスで今季4勝目。レイズの本塁打は初回にペーニャの3号3ラン、8回にはナヴァーロのソロ本塁打。
ロイヤルズには見るべきものが非常に少ない。ヒットは散発の5本、好機に適時打が出ず13残塁。そして先発を含む4投手が壊滅。
 日本では成功したヒルマンだがメジャーでは苦戦が続き頭が痛い。所詮は弱小球団の悲哀か今季も最下位・・・??

 そんな感想を抱きながらタンパまでタクシーで帰る。明日は帰国の途へ・・・・。
 小生のつたない文章と稚拙な写真にお付き合いいただき有難うございました。
 編集後記として次回の『After the Game』でこのメジャー・リーグ観戦紀行の最終回としたい。



(2009年12月1日)


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