「サタデーリーグ」トップページへ
前ページへ

平林岳アンパイアセミナーに参加して


K・A審判員


 首都圏野球審判協会では、1人制審判の動き、コールのための正しい体の使い方、投球判定に試行錯誤を繰り返しながら、毎試合勉強させて頂いております。

 私がUDCセミナー(平林岳アンパイアセミナー座学全4回)に参加した理由は、アンパイアとして必要なスキルと知識を「今までの経験」だけではなく、「理論として」身に付けたいと考えたからです。
 また、いろいろな連盟・団体の経験豊富な諸先輩方がUDC会員であることから、審判経験に生かせる交流ができるとの期待もありました。

 期待通り、セミナー(1回目10/24)会場へ行くと、70名の参加者で熱気に溢れていました。

 授業では次々と積極的な質問が飛び交い、打ち切らないといつまでも質疑応答が続きます。正直なところ、会社の会議でこれほどたくさんの質問は滅多にでてきません…。ひとつでも多く日頃の審判活動の悩みを解決しようとする参加姿勢と真剣さに驚きました。

 平林さんの講義は、実際に起きたケースを元にした野球ルールの解説と、日米野球審判の違いやスキルアップへのアドバイスです。

 その中でも特に、球審の正しい構え方(スロット・ポジション)は、自分自身の改善ポイントに、幾つかの気付きがあり、とても勉強になりました。

 早速、翌日10/25の試合では、学んだばかりの球審のスタンス、ポジション、アジャストメントを意識したことで 投球判定がしやすくなりました。 またメカニックも意識し改善改良してみました。
 選手に「えっ」 と言われる判定がなかったことが嬉しく、帰路の車中でちょっとだけ自分を褒めてあげました。

 10月30日の試合では、山なりベースぎりぎりで落ちるスローボールを投げるピッチャーへ対応を意識しました。キャッチャーの後方でヒール・トゥのポジショニングだと、ストライク判定がピッチャーにとって厳しくなるケースがありました。
 途中から立ち位置・構えを変え、キャッチャーにぴったり寄り添う深いスロット&シザースのポジショニングで、高低をなるべく横から見る体勢をとることで、より正確な判定ができると実感しました。この対応でキャッチャーとのコミュニケーションがより円滑になっていきました。

★学んだことは
「チームに審判の技量を認めてもらうには、ベンチやコーチャーからよく見える高低判定にミスがないように心がける」
「コースは審判とキャッチャーしかわからないので、試合展開と空気を読みながらアジャストできる」

 心構えの点でも役に立つアドバイスがありました。

「迷ったらストライク : ピッチャーを殺さないように留意し、試合をつくる」
ピッチャーは1人で孤独、一方バッターは9人で多勢。
初球またはスリーボール後の際どいボールは、ストライクとするのが秘訣。
"なるほど〜"

「ミスジャッジの考え方 : 気持ちを切り替えて、集中する」
 選手もミス(エラー)があります。審判も1試合にいくつかのミスをします。このようなときは、気持ちを切り替えて集中すること。
 ミスを引きずらない、引きずると次の判定もまた取り返せなくなり、声も小さくなっていき、さらにつけ込まれます。

 メジャーでは、ミス・ジャッジメントではなく、ミス・コールと言うそうです。
 審判の判定は絶対的なもので、ミス"判定"は無いが、ミス"コール"はあるよねー、という解釈です。そして、監督・コーチ・観衆も、審判のミス・コールはベースボール・ショーのひとつと認識しています。ただし、ミスをしない努力と全力を尽くしていることが前提です。
"なるほど、なるほど〜"

 11月2日の強豪チーム同士の緊迫した試合では、「ミス・コールしても堂々と対応しよう」と言い聞かせて臨んだことで、程よい緊張感を保ち臆することなく、余裕をもった判定ができました。

 このように、4回のセミナーを通して学んだことを、翌週末すぐに実践へフィードバックでき、自信にもつながるので、学ぶ励みになりました。また「多くの引き出し」を持てるようになったと感じています。

 座学であっても、審判技術が確実にレベルアップしたUDCセミナーでした。次は、12月17日(土)「2人制アンパイア・クリニック」に参加してみたいと思います。

●2人制クリニック・UDC主催
 http://www.umpire-dc.org/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=329

 末尾になりますが、先輩審判員の皆様、これからもご指導、ご鞭撻の程、宜しくお願い致します。


(2011年11月15日)


「サタデーリーグ」トップページへ
前ページへ