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メジャーリーグ観戦と
アンパイアースキル研鑽の旅−Play ball
(6-2)Boston


#47 Ump.


 今日6月21日(木)に先ず向かった先は第35代アメリカ合衆国大統領John・F・Kennedyの生家。


Beals Streetにあるケネディが幼少期を過ごした家。決して大きくなく、素朴で質素な感じを受けた。母のローズがこの家を買い戻し当時のままに遺したんだそうです。1965年に国立歴史蹟に指定

 次に向かったのはBoston Harbor Cruise。インナーハーバーと外海の一部を廻る90分のHistoric Sightseeingコース(料金は$34.25)に乗る。頬を伝う風が心地よい。


船上よりボストン市内を望む。飛行機がローガン空港へ着陸態勢を取っているのが見えます


不沈艦方Constitution号。その後ろはBanker Hillで独立戦争の舞台となったところ

 クルーズを下船すると丁度昼時。近くのLegal Sea Foodへ入る。この店はイングランド・クリームチャウダーや海鮮料理で有名。


注文したのはミニトマトに鞘インゲン、白身魚がふんだんに入りホワイトクリームで味付けしたもの。料理名は失念。これが、バカ美味!ビールも進んだネ

 胃袋も満足になったし球場へ行く時間も頃合になってきた。さァ〜、行こうフェンウエイ・パークへ・・・。

途中、Quincy Market、 Faneuil hall、Old State House、Old City Hallを経てBoston Commonまでブラブラと上って行く。


クインシー・マーケット。様々な食料品店やレストランなどが数多くある


1742年、市場として建てられたファニュエル・ホール。現在は観光案内所や雑貨店などがある


Old City Hall(旧市庁舎)ボストンは街中にも緑が豊富だ

 ボストンコモンの入口から地下鉄グリーンラインに乗車、球場下車駅ケンモアの地下出口から歩くこと凡そ10分でフェンウエイ・パークに着いた。

 今日のナイトゲームは7時15分開始。それまでには時間があるので、何かいい物ないか?と
チームストアー廻り。


試合のある日には球場脇の道路「ヨーキーズ・ウエイ」が入場口なっている。右側には外壁にペナントを獲得した年の旗をなびかせたチームストアーや飲食店が立ち並ぶ

  今夜も昨日と同一カードのマーリンズ戦だ。

 オヤ?今日は松坂投手が先発だ。一方のマーリンズは今年シカゴ・カブスから移籍してきた右腕Carlos Zambrano投手。


電光掲示板に映し出された今日の両先発投手。時間は午後7時5分。松坂投手のERA5.73が気になる

松坂投手は怪我から復帰した6月15日、今季の初勝利を目指しインターリーグのシカゴ・カブス戦に先発したが六回三失点で負け投手だった。初勝利を挙げられるか今日の調子が気がかりだ。


走者一塁、松坂投げた。球審ディミューロの判定はボール?それともストライク?

 マーリンズは立ち上がりに苦しむ松坂を攻め、先頭のJose Reyesが中前ヒット、二番Hanley Ramirezをショートゴロに打ち取ったが、三番Giancarlo Stantonに四球、四番Logan Morrisonを三振に切ってとり二死とした後、Greg Dobbsに中前二点適時打、Omar Infanteの中前安打を打たれドブスが還り計三得点。松坂は立ち上がりの悪さがモロに出た感じだ。


今日の席から見た球場内はこんな風景。ここまで松坂投手の投球は32球(内ストライクが14球)だが調子はあまり良くなさそうだ

レッドソックスは四回、Cody Ross、Jarrod Saltalamacchiaが連続四球で出ると、Will Middlebrooks
の右翼前適時打でロスが還り一点、さらにMike Avilesの中翼犠飛でサルタラマッキアが得点。この回
二点を挙げ一点差。


二階席までびっしり。今日の観衆は37261人

 五回には先頭三番のAdrian Gonzalezが四球を選び出塁後、C・ロス、W・ミドルブルックスの右翼前適時打でA・ゴンザレスが生還し試合をタイにした。

 サァ、松坂ガンバレ。試合は振り出しに戻ったゾ。

だがしかし、マーリンズは六回一死後、先頭打者Giancarlo Stantonが、カウント1Ball,2Strikesから
松坂が投じた四球目のカーブを見事に左翼へ運んだ(15号ソロ本塁打)更にGregg Dobの左前安打、O・
インファンテの左中間二塁打でこの回二点を返した。

五回までは先発の責任を果たしていたんだが、スタントンの本塁打が今季初勝利を目論んだ松坂投手の夢を砕いた。これが試練だ。 残酷だ。実力の世界は・・・。


六回、G・スタントンに一発を浴びてマウンドでうつむく松坂投手。今日こそはと登板したが、野球の神様は味方してくれませんでした

打ったG・スタントン選手をほめるべきか・・・。スタントンはマイアミの次代を担う若手選手の一人ですヨ。アッパレをあげよう。

ここで松坂はヴァレンタイン監督から降板を告げられた。マウンドから降りる松坂の心境やいかに・・・?


ヴァレンタイン監督に交代を告げられベンチに下がる松坂投手。心なしか両肩が下がり表情も暗い

しかし、レッドソックスは八回にJ・サルタラマッキアの二塁打、W・ミドルブルックスの中翼越え8号二点本塁打そしてRyan Kalishの右翼前安打、Daniel Navaの中翼前適時安打などでこの回三点を奪い試合をひっくり返し6-5で勝利した。九回を締めたAlfredo Acevesにセーブ(18セーブ目)が付いた。


試合も中盤。レッドソックス走者一塁、打者D・ペドロイアセカンドゴロで4-6-3のWプレーか・・・?

勝ち投手Atchison(2-0)、負け投手Mujica(0-3)マーリンズの先発C・ザンブラーノ投手は五回、被安打5、失点3、四球4、奪三振3で勝ち負けには関係なかった。

今日こそ松坂投手の勝利を期待して観ていたんですが、残念至極。負け投手にならなかった分だけ良いとするか・・・。5回1/3を投げ、被安打3、失点及び自責点4、四球1、奪三振4、本塁打1だった。

復帰初勝利は何時になることやら・・・。次回は背水の陣で望むしかないゾ、松坂。

しかし、今夜は見応えのある試合だったなァ。座った席も非常に良かったし、本塁打が二本飛び出し、二塁打も二本。
 
この試合のアンパイアーはローテションしており、球審Mike DiMuro、一塁Vic Carapazza、二塁James Hoye、三塁Jim JoyceのCrew N。チーフはJ・ジョイス。本来ならばこのクルーにはJim Reynoldsがいるのだが何か所用があったのだろう・・・、3Aからヴィック・カラパッザがコールアップされていた。


プレート付近でメンバー表の交換と確認をしている。和やかな雰囲気で試合開始を待つ

 M・ディミューロはボックスで構え、マスクはヘルメット型のものを使っていました。


松坂の球筋を確認する球審M・ディミューロのセット。ボックスで構えています

これって、結構重いんですヨ。でも、安全性に秀でているのでしょう。球が当ってもバットが後頭部を直撃しても大丈夫。安全性には代えられないんですネ。安全が第一なんです。


一塁走者盗塁。捕手サルタラマッキア二塁に送球。松坂は送球を邪魔しないように座り込む。
二塁カバーに入るD・ペドロイア。二塁塁審のJ・ホイはドロップ・ステップを踏み始めようとしていますが、目線は送球に向いている


走者三塁、二塁塁審のJ・ホイの位置に注目、注目。三塁塁審のJ・ジョイスがゴーズアウトしたときには三塁でのバックプレーに備えるため遊撃手の直後に位置している

この二日間で参考になったメカニクスやウーンと唸ったスキルを数多く観た。

その中でも一番は昨日の試合でM・ディミューロが見せてくれた走者一塁での動き。

それは、投球を捕手が捕る度に自塁(一塁)へ二、三歩近寄りプレーが起きた時の準備をしていたこと。
(捕手から一塁へ球が転送されるピックオフ・プレーがあるかもしれない)

自塁で起こり得る全てのプレーに対応するために常に怠りなく、見えないところで準備をしておく。
メジャーアンパイアーの真髄をみたような気がした。


走者一塁、投球が捕手に捕らえられた瞬間、一塁へ上がろうとするM・ディミューロ

何でもない事の様だが中々出来るもではない!しかし、こういうスキルは是非見習いたいものだと痛感。

この様なスキルは走者三塁のときにも応用できるのではないだろうか・・・。
(捕手から三塁へ牽制球が来たときなどに応用できると思います)

また、投手の動作、走者の動き、打者の打撃姿勢そして捕手のプレーを読み解く技術はさすがだ。

そんなことを思い抱きながらフェンウェイパークを後にし、ホテルまで歩いて帰ることにした。

松坂が一発を喰らい降板したせいで足取りは重かったが、帰路のビーコン通りを一歩一歩踏みしめる毎にボストン最後の夜は更けていった。


熱戦の余韻が残るフェンウエイ・パークとYowkey Wayの夜景

 次回は今回のツアー最後の訪問地マイアミからお伝えします。

オーシャン・ドライブのアール・デコ調の建物、マイアミビーチ、そして今年開場したMarlins Park等など楽しみいっぱいです。乞うご期待

To be continue.(続く)


(2012/11/1)


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