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メジャーリーグ観戦と
アンパイアースキル研鑽の旅−Play ball
(7 前編)Miami


#47 Ump.


 6月22日(金)、早朝6時40分発のアメリカン航空マイアミ国際空港行き801便は満席でボストン・ローガン国際空港を離陸。


朝日を迎えるAA801便。ここボストンは晴れのようだがマイアミの天気が気になる。前回2011年に訪れたときは着陸後雷雨で飛行機の中に缶詰だった。この時期は雨が多いようだ

 「マイアミまでは約2時間40分のフライトです」とキャプテンのアナウンス。

マイアミに着いたのは9時55分。雨は降っていないようだが、曇天模様。

空港からタクシーで滞在先のRiver Park Hotel Miamiに着いた頃には雨が真珠のように降ってきた。
マイアミの澄み切った青空を期待していたのだが、今回もそれは無理なようだ。「俺は雨男かいな?」と憂鬱になってきた。


車窓の先にMarlins Parkが見えてきたが生憎の雨で煙っている

今日はマイアミ在住の友人の案内でちょっとした市内観光をする約束になっていたが、雨で何処へ行って興味半減。車窓からの見物では味もそっけもなくつまらないッ!


車窓から眺めた小雨に煙るマイアミ市内

 そうこうしていると昼時。案内された所はCuban Restaurant「La Carreta」
マイアミ市内に9店舗を構える人気のキューバ料理店で「La Carreta」とはスペイン語で「屋台」と云う意味。


Cuban Restaurant「La Carreta」この店は1959年のキューバ革命後、当地マイアミに避難し屋台から興したんだそうです

 筆者が食したのは「Picadillo(ひき肉料理)」と「Cartadito」と云うキューバン・コーヒー。
味は甘いんだか、塩辛いんだか今一分からないが、黒豆を噛み潰すと自然な薄い甘さが程よかったし、
比較的美味かったのを覚えている。


キューバの伝統料理の一つ「Picadillo」。メインディッシュ上のご飯の横にはプランテーン・チップス(バナナに似たのを揚げたもの)、右手はひき肉にトマト等を煮込んであり、奥の方のコーヒーみたいな料理は黒豆を煮込んだ料理。これらをご飯にかけて食べる。かのカストロ大統領も大好物で週に二・三回食すという


キューバン・エスプレッソ「Cartadito」これが結構甘〜い。地元に住むキューバから移民してきた人たちは一日何杯も飲むという

お腹も充分に満足になった。次に案内してくれたのは「Torpedo」という葉巻工場。
ここのオーナーと知人は顔見知りらしく、冗談を交えて話していた。


Cigars「Torpedo 」の内部。葉巻は一本一本手作りなんですネ。写真一番手前のマリアは30年以上もタバコの葉を巻いている大ベテランで、カストロ首相も彼女が作った葉巻を好むという


出来上がった葉巻は一定の温度で保管され出荷を待つ

 葉巻工場を後にし、次に向かったのはアール・デコ調のホテルやオープン・カフェが立ち並ぶOcean Drive。ここはサウスビーチ一番の観光スポットである。


ここはEdison Hotel前のオープン・カフェ「i paparazzi」天気がよければオレンジ色のクラシックカーが渋い味をかもし出しているんですが、雨でなんだか良く分かりません

一日中雨なんて珍しいこと・・・?雨中では何を見ても聞いてもうわの空。つまらなくなった観光を止め「サァ〜、マーリンズ・パークへいざ行かん!」と云うわけで車は球場へ向かった。


外観は無機質な造りで開放感が感じられないと感じたマーリンズ・パーク

前回2009年7月に訪れたDolphin Stadiumはダウンタウンからタクシーで40分も走った郊外にあったが、今年開場した新球場Marlins Parkは市街地から至近でバスや電車で行ける。


環状線のメトロ・ムーバーに乗り北行きのメトロ・トレイルに乗り換えてCivic Centerで下車。そして無料のトロリーに乗れば球場まで$2足らず行ける

 このマーリンズ・パークは約70%がリサイクルされた資材で建てられたそうだ。


マーリンズ・パークを廻る道路の敷石にはガラス瓶を砕いたものがリサイクルされている

今夜のゲームはインター・リーグのMiami Marlins対Toronto Blue Jays。

 両チームの先発はブルー・ジェイズがここまで7勝1敗と好投しているRichy Romero、一方のマーリンズは負け数が二つ先行しているAnibal Sanchez。


試合前のマーリンズ・パークの様子。球団職員が試合開始の準備をしている

試合はブルー・ジェイズがマーリンズの繰り出した五投手から11安打を放ち12-5で圧勝。
マーリンズは散発5安打に抑えられ、今季の課題だった打力の貧しさがもろに出た。


走者一・二塁でルー・ジェイズの攻撃。打者は右翼飛球。一塁塁審がゴーズ・アウト。
 二塁塁審はStep up, Turn face the ballして飛球と野手の動きを注視しながら走者の動向を観ている。もしかしたら右翼手は一塁へ送球しアピール・アウトを狙って来るかもしれないゾ

 スモール・ベースボールで2005年にChicago White Soxをワールド・チャンピオンに導いたマーリンズのOzzie Guillen監督だが、打撃陣の強化が最大の課題であろうか・・・。
(因みにギーエン氏は10月23日、成績不振を理由に解任された)


ブルージェイスの攻撃。カウント0-0、ピッチャー投げました。それにしても空席が目立つ

 この試合の本塁打はマーリンズのGiancarlo Stantonが4回に左翼越え16号ソロと8回にでたGaby Sanchezの左翼越え2号ソロの二本のみ。


電光掲示板に映し出されたホセ・バティースタ選手。五回を終わってTORが5−2とMIAをリードしている

ブルー・ジェイズのJ・バチースタの本塁打を期待していたのだが不発に終わってしまった。



マーリンズの攻撃。走者二塁、打者Giancarlo Stanton。打球は・・・?

球団誌六月号の表紙を飾ったマーリンズの看板選手の一人Giancarlo Stanton

 今夜の球審はクルー・チーフのTim Tschida#4、一塁Jeff Nelson#45、二塁Lance Barrett♯94そして三塁Cory Bleser♯89ので、クルーLのアンパイアーである。

 いつもならオールタイムのBill・Welke(メジャー12年)とChris・Guccione(メジャー5年)が組んでいるのだが、この二連戦は3Aからランス・バレットとコリー・ブレーザーが上がってきた。


球審チーダのGet Set−1

球審チーダのGet Se−2

 チーフのティム・チーダはメジャー26年の大ベテランで右足を折り上げた特徴のあるストライク・メカニックをする審判としてつとに有名でチョッとした口髭(ちょび髭?)を生やしている。


球審のティム・チーダのStrike Mechanic。右足を上げ両腕を抱え込んだような独特のスタイルだ

 また、ジェフ・ネルソンは次代を担う筆頭株の審判で、技術やスキルはトップクラス。
日本でも多くの人が彼のアンパイアーリングやメカニックに注目している。


#45ジェフ・ネルソン

 1989年にJoe Brinkman Umpire Schoolを主席で卒業した逸材で、1999年にPaul Nauert と一緒にメジャーへ上がり、2010年にはCrew Gで活躍。その時のクルー・チーフJeff Kelloggの下でLarry VanoverやMark Carlson等とクルーを組んだ。

 コリー・ブレーザーは1981年生まれの31歳。Harry Wendelstedt Umpire Schoolを卒業し、プロでのアンパイアー生活をスタートさせた。2010年にメジャーに昇格。背番号は89。

 そして、ランス・バレットは1984年生まれの28歳で、高校卒業後にJim Evans Academy of Professional Umpiringへ入校。2003年にマイナーリーグ審判員となる。2010年にメジャーに昇格しコールアップ・アンパイアーの一人として活躍中。Full Time Majorの#2Dan Bellino(32歳)等と共に次次代を担うアンパーアーである。


メッツのTerry Collins監督から抗議を受けるランス・バレット球審。執拗な抗議に対し退場を命じた

 このクルーは新人(?)アンパイアー二人にベテランと中堅を組ませてメジャーでのスキルを伝えているのであろう・・・。


走者生還。チーダ球審はセンターポジションに位置し触塁を観ている。一方、三塁塁審は打球を確認後、走者が三進してくるかどうかを注視していますネ

アンパイアーもプレーヤーも若手の時代到来だ。今年のAL、NL両リーグの新人王に輝いたMike Trout(エンジェルス)は21歳、Bryce Harperが20歳そして同じナショナルズのStephen Strasburgは24歳だ。
プレーヤーは20代前半、アンパイアーは20代後半が活躍し始めている昨今である。


AL新人王のMike Trout


NL新人王のBryce Harper

Stephen Strasburg

 以上、最後の訪問地マイアミでの初日でした。

To be continue.(続く)


(2012/12/1)


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