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メジャーリーグ観戦と
アンパイアースキル研鑽の旅2012
(7 後編)Miami


#47 Ump.


 今日6月23日(土)はデイゲームで13時10分にプレイボール。

 朝はちょっと遅めに起床。
 先ずは朝の腹ごしらえ。ホテルの近くのレストランへレッツ・ゴー!!
 ブレックファースト・バフェ(バイキング形式の朝食)とコーヒーを注文。


ブレックファースト・バフェで選んできた今日の朝飯。なんとなくキューバン・ディッシュらしく見える?グッド・チョイスだと納得

 
 ちょっと早めに球場へ行ってみるか・・・?

 ホテルの近くの「Knight Center」からMetro mover(環状線内回り)に乗り「Government Center」でMetrorail北行きに乗り換えて三つ目の「Civic Center」で下車。そしてTrolley Busで球場へ。
 この道順だと球場までの路用は$2。一番安く行けるルートではあるまいか・・・?

 2009年に来たときはDolphin Stadiumまでタクシーで40分、チップコミで$45もかかったもんである。


マーリンズ・パークの概観。椰子が生えていいかにも熱帯だなと思ったが、球場の外観は無機質な造りだなァと感じた


 早速、チケットを買い3rd Base Entranceから入場することにした。


今日の観戦チケットと入ってチケットが入っていた座席表が印刷された袋


 入場する前には何処の球場でも行われている「手荷物検査」を受ける。


手荷物検査はいたって簡単。セキュリティが難なくOKを出してくれた


 先ず向かった先は球場内にある「Bobble Head Museum」ミュージアムと云うからには特設展示場を想像していたのだが、ヤンキー・スタジアム内にある展示場とは大違い。
 大きなガラスケースに各チームのボブルヘッド人形(首振り人形)が並べられているものだった。


Bobble Head Museum。イチロー選手や松井選手のボブルもあった。みんな思い思いに首を振っていた


左はPudgeことIvan Rodriguez。2003年にFAでマーリンズへ移り、WSシリーズで優勝した立役者だ。右はナショナルズのStephen Strasburg投手のボブル


 今日も昨日と同じカードのトロントブルー・ジェイズ戦で、マーリンズの先発はJosh Johnson、ブルー・ジェイズはBrett Cecil。


マーリンズのマスコット「Billy the Marlin」 Let’s go!


 この試合、二回表にブルー・ジェイズはEdwin Encarnacion、Kelly Johnsonの連続四球を足がかりに、Yunel Escobarのバントで二塁走者のエンカーナシオンを三塁に進めた後、Rajoi Davisのスクイズで先取点を取る。


試合そっちのけで爆睡するライトスタンドのファン二人。雑音を鳴らせ!だって


 一方のマーリンズはブルー・ジェイズ先発Brett Cecilに六回まで5安打に抑えられていたが、七回に先頭のJustin Ruggianoが三塁前バント安打で出塁後、Omar Infanteの左前適時二塁打でルジアーノが一気に生還し同点に追いついた。


マーリンズの攻撃、走者一塁。三塁手は幾分前めに守備している


 が、しかしブルー・ジェイズは九回に先頭のエンカーナシオンが左翼越え本塁打、その後代わったレイズ投手のEdward MujicaからColby Rasmusが右翼越え満塁本塁打を放つなど打者11人を繰り出し一挙6点を返しレイズに引導を渡した。試合は結局、7−1でブルー・ジェイズが圧勝した。

 今日のアンパイアーは球審Jeff Nelson、一塁Lance Barrett、二塁Corry Blazerそして三塁はTim
Tschidaの布陣。


三塁側から見た球審Jeff NelsonのGet set
一塁側から見た球審Jeff NelsonのGet set
ジェフ・ネルソンのストライク・メカニック。「今のがストライク?そりゃ〜、ないぜジェフ」と不満げな打者の表情。


 クルー・チーフのティム・チーダが試合中とはいえ二塁のコリー・ブレザーにいろいろなアドヴァイスを送っていたのが印象的だった。

 筆者には、その多くが状況に応じたポジショニング(位置取り)に支持を与えていたように思えた。


走者一・二塁。「Infield fly Batter is out!」二塁手が捕球体勢に入っている


走者一塁、二塁のコリー・ブレザーの位置取りに注目。カットアウトの芝生と平行にセットしている。これはドロー・ステップを踏むとき、二塁へいち早く正対できる


一塁ランス・バレットのアウト・メカニック。二塁塁審は二塁へ詰め、一塁のプレーを注視している


 三塁に就いていたチーダに声を掛けた。それは、こんな会話だった・・・。

Me:「Hi, Mr.Tchida. Autograph, please. I came from Japan」
(ハ〜ィ、チーダさん。日本から来たんですけど、サインいただけますか?)

ティムは顔をこちらに向け、一瞬考えた末

Tschida:「Yes, I will. But just a wait. That’s a playball.」
    (OK!いいとも。チョット待って!プレイがかかりそうだから・・・)

Me:「Thanks」(分りました!)
   
 そして、チョット間があり・・・。


三塁に就いたティムのHands on knees set。膝頭を両手で掴んでいます。動きやすく、プレーをしっかり観れる姿勢だ


Tschida:「Hey guy, come down soon. I just give you autograph.」
    (お〜ィ、青年!直ぐこっちへ降りて来なさい。サインするから・・・)

Me:「Yes, Thanks so much! I’m a amateur baseball umpire in Japan.」(ありがとう!私日本のアマチュア野球審判員なんです)

Tschida:「Sure? Have more fun the game, guy」(ヘェ、そうなの?試合楽しんでいってよ、青年)

(Guy??? 俺って、ナイス・ガイか・・・?「そうだナ、若いんだもの決まってらァ」なんて独りよがりに思っちゃった。) 


ティム・チーダにサインしてもらったボール。#4と入っている。お宝だ!


 しかし、こんな簡単にサインしてくれるなんて・・・。
 ティムは筆者に何か通じるものを感じてくれたんだろうか・・・?そして、サインをくれたんだ・・・。
イイや、審判独特の雰囲気を筆者に感じてくれたんだ、きっと・・・。
 
 そんな勝手な思い込みをしながら試合を観戦。


マーリンズ・パーク名物のCuban sandwich。バターを塗ったローフパンにポークや、スライスしたチーズ、ピクルス、マスタードをはさみ、グリルして軽くプレスしたもの。左はSouvenir Soda


 アメリカの野球、おっとベースボールは選手だけでなくアンパイアー、球場関係者それに関わる全ての人が観る側、楽しむ側の人々に夢や希望そして活力を与えてくれるんだ!

「Have more fun, guy!」といってくれたティム、有難う・・・。

 イゃ〜、ベースボール(野球)って、ほんとうに素晴らしい!! 


試合を観た後、早速「キャッチ」をする親子。子供にとって父親とのキャッチボールが野球に親しむ原点だ


 試合を堪能した後は、マイアミ一番の観光地「Ocean Drive」へ行くことにする。

 ガバメント・センター駅からバスに揺られ着いた所はOcean Driveの直ぐそばのCollins Avenue。

 先ずはMiami Beach Southを散策。南国に違わず曇天模様でちょっと肌寒い感じ。
 南北に長〜い海岸線が続き、波打ち際には海草等のゴミ(?)が流れ着いて決して綺麗とは言い難い。


マイアミ海岸の北方を望む。海草が打ち寄せられている。砂と云うより小さな砂利と言った方が良いかも・・・?


 曇天模様のマイアミ・ビーチ。天気がよければ最高の眺めなんだろうが、どうしようもない。
 オッ!!それにも負けずにお暑い人がいましたよ。お暑い二人が・・・。


曇天寒空にも関わらず、お暑いヤングカップル、何をしている???


 ヤングカップルにあてられて急に腹が空いてきた。オーシャンドライブのイタ飯屋でピッツァを食す。


紙皿から大きくはみ出したピッツァ。腹にはこれだけで充分。美味かったナァ〜


 腹も満足になった。サァ〜、オシャンドライブを歩いてみよう!!


ここからOcean Drive/Art Deco地区が始まる


 このオーシャンドライブは海、緑地(公園)そしてホテルというコンセプトになっており、青い海とアールデコ調のホテルの間には緑の木々が茂り、見事な調和が保たれている。


椰子の木が茂り、ホテルとのマッチングが素晴らしい。写真の左手は大西洋


 しばしオーシャンドライブ沿いの、アールデコ調のホテルを眺めてみることにしよう。

 どのホテルの前にもパラソルが張られ、オープンカフェが併設されているが往来は自由。


Cavalier Hotel 青いパラソルで覆われたオープンテラス
Cardozo Hotel
3Gの一人で世界的なデザイナーGianni Versaceの元別荘。入場見学料$25

Congress Hotel 当時ここにはオープンテラスが準備されてなかった
10th Streetの角にあるEdison Hotel
カフェテラス「i paparazzi」を併設。オレンジ色のクラシックカーが1960年代を醸し出している。ガイドブックによく出てくるホテルだ

Hotel Breakwater
Hotel Fat Tuesday
Woldorf Towers Hotelを右手に見てオーシャンドライブの南方を眺める

 
Colony Hotel。このホテルも観光案内には良く出てくる
 
 


 閑話休題:ところで、アールデコって何?
(ウーン、そうだな1910年代から30年代にかけて流行した幾何学図式の記号や文様パステル調の色合の表現や装飾のことかな・・・?日本でも1970年代にそのファッションが流行した。その代表格が山本寛斎でしたヨ。
 彼は確か、デヴィッド・ボーイのステージ衣装を手がけたと記憶しているが・・・)

 オーシャンドライブ地区のアールデコ調ホテルを散策していた時には曇天模様だったが、途中からから落雷と大粒の雨が降ってきた。この時季にはめずらしい?? 皆走る、走る雨宿り場所へ・・・。

 筆者たちもアヴァロン・ホテルで雨宿り。ホテルの前にはクラシックカーが寒そうに停車していた。


雨にけむるAvalon Hotel前の水色のクラシックカー。この車は飾りだといっていたが、動くんだろうな・・・


 アヴァロンやリッツ・カールトンホテルの下のドラッグストアーで買い物をしながら雨が止むのを待っていたが、止みそうもない。午後八時、ホテルへ帰るべくタクシーを拾おうとしたが、中々捕まらなァ〜い。

 奮闘の末、相乗りのタクシーを捕まえた。先に乗っていたのはブラジルから観光に来ていた日系二世のヤマモトさん母娘。父親が福島県出身だといっていた。日本語は全然ダメ。最後の最後で人との出会いがまたあった。


オーシャンドライブの北方を望む。椰子の木、オープンカフェそしてキューバンミュージックのリズムに奏でられてサウスマイアミの夜は更けていく


 と云う様なわけで、マイアミ二日間の、そして今回の「メジャーリーグ観戦とアンパイアースキル研鑽の旅」最後の夜は、落雷と雨そして日系ブラジル人との出会いで締めくられた。

「カミナリも、雨もまたよし、マイアミの夜」記憶に残る旅だった。

 ホテル帰着後、ビールとナッツで最後の夜を惜しんだ。オヤスミそしてグッナイ!!
 
 明日はマイアミ空港9時5分発のシカゴ行きAA1577便に乗り、シカゴで11時15分発AA153便に乗り換え帰国する予定だ。
 
 今回のメジャーリーグ観戦とアンパイアースキル研鑽の旅は最後の地、ここマイアミで最終回とする。

 次号は今回のツアーを総括した「After the Game(編集後記)」を書いてみる。乞うご期待・・・。


(2013/1/1)


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