審判員の 背中 背中画像
□□ 臼井淳一審判員 □□


【3】審判部長
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 私が本格的に野球審判を勉強するきっかけは、少年野球に係わりを持ち始めたころからであります。
 ある年の公式大会の出来事です。3塁線上にフライが上がりました。3塁手はボールを落とし、ボールはファールグランドに出ました、球審の私はフェアー地域でグラブに触れたのを確認して「フェアー」と声を出しました。

 その時です。なんと後ろでみていた審判部長が「3塁審判と確認しろ。グラブに触れていない」といってきました。
 3塁審判に確認すると「分からない」という返事。4人の審判で確認しても「分からない」という結論です。

 審判部長は「そろみろ。分からないのはファールだ」と大声でいうのです。

 観衆は成り行きを真剣に見守っています。
 私は仕方なく審判部長の判定に従いました。

 試合が終わったあと、私はどうしても納得がいかず、審判部長に「貴方は後ろでみていて、判定をかえる権限があるのですか」と食い下がりました。そしたらこんなことをいいました。
「ファールはだれがみてもファールだ。貴方の判定がおかしいからいったまでのことだ」。

 私は、これ以上この人にいっても無駄だと思いました。と同時に私自信が「判定」をくつがえしたことに無性に腹が立ってきました。

「よーし。こうなったら野球審判を徹底的に勉強してみよう」と決心いたしました。

 数年後、観客としてこの審判部長の球審を見学いたしました。
 塁が埋まっているのに、ホームでのプレーをダッグ(タッチ)がないので「セーフ」と判定していました。
 私は、おもいきっりヤジってやりました。「今のはフォースプレーですよ。アウトですよー」。
 私の顔をみて、審判員を集めて「アウト」と変更していました。

 試合が終わってから「臼井さん。後ろから大きな声でいわないでよ。確認しようかと思っていたのだから」といってきました。
 私はその時、この人に「勝った!」と思いました。と同時に次の目標を考えました。

 審判員は「目標」をもって勉強・勉強です。これを怠ると「審判員」ではなくなります。ただの「審判部長」になってしまいます。


(2004年2月1日)


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