審判員の 背中 背中画像
□□ 臼井淳一審判員 □□


【12】ベースボールは楽しい
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Aチーム 210321021 12

Bチーム 20302234× 16

 この試合時間は9回まで行い1時間45分で終わりました。私が「ストライク」「ボール」とコールしたのは合計で12回。ホームでのアウトのコールは4回。あとは選手が勝手にやっておりました。

 1試合平均で審判員の判定が本当に「必要」とする場面は5%といわれています。残りの95%は誰が見ても「アウト」「セーフ」なのです。とくに1塁での「判定」はもっとも多く、3塁にいたっては「0」の時もあります。私たち審判員はこの「5%」のために必要なのです。そしてこの5%に選手と同じように「こだわり」をもって勉強しているのです。

「ボール」「ストライク」の判定は、打者が打てば球審は必要ないのです。実はここが一番問題なのです。「ストラスクゾーン」を小さくしている打者。「好きな球種・コース」しか絶対にバットを振らない打者。その結果バッターボックスに4回も立ち、4球、死球が3回、「ピッチャー・ゴロ」アウトが1回。それでも「出塁率0.75だ」と喜んでいる打者がなんと多いことでしょうか。

 先日、40歳代の「親善試合」の審判をやりました。お互い知り合いなのか冗談を言いながらプレーをしていました。点差も一方的な内容になり、試合もだらけてきました。そこでの出来事です。あるプレーが終了したので、私が捕手に「こうやればよかったね」といいましたら。なんと15対0で勝っている監督が突然「審判はプレーに口を挟むな」と言ってきました。私はあきれて「反論」する気持ちにもなりませんでした。

 この監督、自分が見逃し三振したら、これがまたなんと捕手に「今のコース?どうだった?」と聞いているのです。捕手もあきれて「ど真ん中。バットを振らないと」と、言われていました。審判の私には、恥ずかしくて聞かないのか。それとも私が「信用」がないのか。いずれにしても「人間失格」「スポーツ不向き人間」「自己中心人間」「2度と顔を見たくない人間」。まだありますかが、この辺で怒りを抑えましょう。

 実は、実はこういう人間が「野球界」にたくさんいるのではないでしようか。それも「指導的」立場に多いタイプなのです。

「勝利至上主義」に陥ったスポーツほど魅力がないものはありません。スポーツとは個々人のもっている「潜在能力」を発揮してこそ「楽しい」のです。

 われわれ「草野球」はまず「楽しさ」の追求です。間違っても「苦しさ」や「型にはめる」野球を追及してはいけません。

 先日も2アウト満塁の場面で4番に打順が回ってきました。ベンチから「ここでヒットを打ったら巨人・清原の2千本安打に並ぶぞ!」。そして全員が「清原応援歌」を口ずさみました。この味方のプレシャーの中で、打者は走者一掃の3ベースヒットを見事に打ちました。塁上の打者は巨人・清原の「顔」をしていました。彼の脳裏には一瞬、学生のころの夢「俺はプロ野球選手」と思ったでしょう。

「ベースボール」は楽しい。夢を「一振り」で想いだしてくれるのです。



「ベースボールは楽しい」でこんな投稿を見つけました。

「直球曲球」★たまにはこういう討論を[投稿から](03/11/01)転載

打たなければ始まらない‥‥ 投稿者:流浪のキャプテン  投稿日:1016()

 リーグ外の者です。勝手な書き込み失礼します。検索していたらこちらの掲示板にたどり着きして、審判の方々の書き込みを見て、僕らのチーム方針とまったく同感の意見を読み、大変心強く思い、ついつい書いてしまいました。僕らは「とにかく打て! 四球狙いは卑怯者のすること!(言い過ぎかな??でもマジでそう思っています)」とメンバーに言い聞かせて来ました。

 結果的には打撃がどんどん向上しましたよ。チーム打率三割台も珍しくありません。やはり打席でバットを振らないと打撃は上達しませんね。いくら選球眼が良くても、バットを振らないとストライクゾーンの測量が上手くなるだけなのです。

 今では相手チームも「○○さんのチームとゲームをすると、勝ち負け以前に、テンポが良くてすごく面白い!」と言ってくれるし、壮絶な打ち合いになったチームほど再戦を希望してくれます。

 投手陣にも「コースを狙うな。ど真ん中に投げて緩急で打ち取れ!」と言ってあります。コースを狙うと四球の恐れがあるし、いわゆる「攻撃側審判」でやった場合、ど真ん中付近でないと「ストライク!」と言わない人もけっこう多いですからね。それよりタイミングを外してバットを振らせ、凡打にする方が懸命です。

 ‥‥てなわけで15年もやって来ました。気がつけばアメリカメジャーの情報がたくさん入ってくるようになりまして、メンバーは「なんだ。オレたちのやっていた野球って、なんとなくメジャーに近いのじゃん」てなことになりました(笑)これからどんどんそういうチームが増えてくれたら、もっと楽しくなると思います。ホントに増えて欲しいのです。なぜか若い人たちに古い考えの人が多くて残念なのです。それも野球経験者にね。

http://www.terra.dti.ne.jp/~j-usui/saturday/chokkyuu/chokkyuu.html



 (2004年6月15日)


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