審判員の 背中 背中画像
□□ 臼井淳一審判員 □□


【13】これも審判員の仕事か
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 最近、ユニホームを着ていないチーム同士の審判をよくやります。それもリーグ戦です。「規約・内規」もあるのです。一度、幹事の方に「この程度のレベルなら、失礼ですが、審判員は必要ないのでは」と質問しました。
 幹事の方が言うには「この程度だから審判員が必要なのです。初めて野球をやる人が多いいのです」と言われました。

「初めて野球をやる人?」。うーん。そこで私も考えてしまいました。今の20歳前後の人の中には草野球を「体験」していないことを発見いたしました。

「草野球」は書いて字のごとく、草原や野原で野球ができたのです。それも近所には必ずそういう場所が「昔」はありました。

 ここまで書いて。そうか今の子供たちは、野球は「少年野球チーム」と「中・高等学校野球部」からはじまるのか。私の子供の頃は「三角ベース野球」や「子供だけの遊び野球」から始まりました。すでにこの「野球」は遠い彼方に消えてしまったのです。

「少年野球」と「野球部」を体験していない人にとっては「ユニホーム」をなぜ着るのかわからないのです。もちろん野球のルール、マナーなどは全く分かりません。
 分かっていることは、バットでボールを叩く、そして1塁へ走る。守る方は1塁へ到達する前にボールを1塁へ投げる。このぐらいしか分かっていない人が、いきなり試合を始めるのです。

 マナーそのものものが分かりません。中には堂々とベンチでビールを飲んでいる人もいます。スポーツにはアルコールが危険なことは分かっているはずです。

 先日、ある審判員は「私のモットーは、試合中に酒を飲んだら審判放棄」と言っていました。うーん。分かります。わかります。だが待てよ「審判放棄」で片付く問題なのでしょうか。

 あぁ。頭の中が混乱してきました。「審判員」ってなんなのさ。ルールも教えて、社会常識も教えるのか。この人たちは学校でなにを「勉強」してきたのか。だんだんとわかってきました。「非常識」を「勉強」してきたのです。

 こんなチームの審判をやり終えて。もう二度とやらないぞ、と心に固く誓い、「ゲームセット」してバイバイしました。

 帰り際にある人(選手)からこんなことを言われました。「臼井会長のページをよく読ませていただいています。大変ためになります」。

 この一言で私は「うーん。うーん。そうかい。そうかい。世の中まんざら捨てたものではないぞ。それなら一から社会常識も含めていろいろ教えてやるか。これも審判員の仕事なのか」。
 と、ますます頭が混乱してまいりました。


 (2004年7月1日)


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