審判員の 背中 背中画像
□□ 臼井淳一審判員 □□


【26】 緊張感をもって野球に挑む
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 4月5日の巨人ーヤクルト戦で・ヤクルト・青木選手の打球がベンチにいた巨人・高橋尚選手の顔に当たった場面をテレビで観ていました。その後の報道によると、高橋選手は「右おお骨の陥没骨折」と診断され長期離脱の可能性もあるといわれています。

 われわれ軟式野球・草野球愛好者にとって「ケガ」は直接生活に関ってきます。会社から「もう二度と野球禁止」などと言われかねません。

 今回の高橋尚選手の顔に当たったケガは、公式球場での出来事です。われわれのやるグランドは公式球場に比べてボックスとベンチの距離は極端に短いです。今までも何回か打球に当たり救急車を呼んだこともありました。幸い旧球でしたので大事に至りませんでした。

 昨年の夏から出回っています新型球で、もしもベンチの選手・応援団の顔面に直撃したらと思いますと「ぞっと」します。

 デットボールを背中に受けた選手も「翌日になっても痛みがひかない。あぁ、避ければよかった」という声も多く聞かれます。

 捕手の頭に当たったファールボールは捕手のヘルメットを吹き飛ばす勢いです。やはり打球が速く鋭くなっています。

 硬球と旧球との差は、石ころとゴムボールの違いがありました。新型球は石ころではありませんが、もうゴムボールとはほどとおいです。

 新型球に対して「草野球はレベルが低いからケガはしない」「どうせ投手は速い球を投げない」「鋭い打球なんか打てない」「頭は避けられる」等々。と感じている人は多くいると思います。

 よくあまり打てない人がヒットを打つと「交通事故だ」といいます。実は新型球はこの「交通事故」が多いのです。それもバットの芯でとらえますと女性でも鋭く打球は飛んで行きます。

 新型球は内野を鋭く抜けていく打球は従来に比べが多くなっています。フェアー地域の打球は心配はいりませんが、問題はファールボールです。先日も河川敷グランドで止めておいた車のフロントガラスがこなごなになった話を聞きました。

 新型球の打球の速さは立証ずみです。打球の速さはプロの人でも避けられない場合があるのです。また、投球よりも危険なことは知られています。

 山なりのインコースの投球を右打者が思い切り右方向に打った場合、バットを出すタイミングがズレますと3塁ベンチにもの凄い勢いで飛び込んできます。
 ボックスとベンチとの距離は5メートルしかありません。さぁ。ベンチにいる貴方と応援の彼女はどうなるでしょうか。

「草野球はレベルが低いからケガはしない」「どうせ投手は早い球は投げない」とは言い切れません。

 新型球に怖がっていたのでは野球はできませんが、やはり従来よりも一層緊張感をもって野球に挑む必要があるのではないでしょうか。


(2006年4月15日)


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