(15) 一人審判も良い環境で
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 一人制審判に限らずグランドによってどうしても「集中」できないグランドがあります。とくに一人審判の場合は以下が集中できないグランドです。

(1)車の騒音の激しいグランド。
(2)内野に隣のチームのレフトやライトが同居してしまうグランド。
(3)外野にいろいろな障害物のある河川敷のグランド。
(4)ラインもベースもない草ぼうぼうのグランド。
(5)囲いのないただ広いだけのグランド。
(6)隣のグランドからボールが入ってくるグランド。
 以上6点を羅列しましたが、考えてみますと私たち草野球の審判員は、ほとんどこのようなグランドで審判をやっております。

 先日、相模湖林間公園野球場(写真)で審判をやりました。両翼92メートル、センター120メートルの広々とした立派なグランドです。山を切り開いて作られたグランドです。
 そのほかにテニスコート、わんぱく広場があります、管理棟も広く、中ではお弁当も広げられ、野球の終わった後の家族サービスも出来ます。






 ご覧のようにバッターボックスの正面には、紅葉した山並みが見えます。このようなグランドで審判を行ないますと、気持ちが落ち着き、気分が爽快になり、紅葉した山並みを見ることにより「眼が良くなる」気がします。

 試合も20歳代の高校野球経験者の投手がマックス120キロのストレートをビッシ・バッシと投げて「ストラスク・スリー」のコールとゼスチャーに思わず酔いしれてしまいました。

 もちろんなんの「雑念」もなく審判に集中することが出来ました。

 ある強豪チームの監督さんからこんな話を聞きました。
「私たちの公式大会は河川敷の劣悪な環境のグランドで行います。なるべく練習試合も河川敷をあえて使用します。そういたしませんと本番で役に立たないのです」

 またあるチームの監督さんはこんなことを言っていました。
「東京は河川敷野球場があるのでうらやましい。私達はグランドそのものの数が少ないのです。どうしても県外の試合が多くなります」

 草野球は安易にできるからいいのです。またその中から軟連の都大会・県大会、そしてネット大会の「ドーム決戦」などを目標としているチームも出てきています。

 河川敷の囲いのない劣悪なグランドでも野球ができれば嬉しいのです。問題はこれで満足していてはいけないということです。

 自冶体や国は、もっときちんとした囲いのあるグランドを多く作るべきだと思います。

「土曜、日曜、祭日しか利用しない、そんな無駄なもの作れるか。それより今のグランドを潰してテニス場を作ったほうがお金も儲かる」、こんなことを自治体はやろうとしていませんか。

 草野球を楽しみたい私たちの要求を汲み取っていません。また、「スポーツ振興基本計画」では以下のようなことを発表しています。

『スポーツは、社会的に次のような意義も有し、その振興を一層促進していくための基盤の整備・充実を図ることは、従前にも増して国や地方公共団体の重要な責務の一つとなっている。』。
 
 やっていることと、言っていることが矛盾しているとは思いませんか。

 良い環境で一人審判を行ないますと、いろいろと考えさせられることがたくさん出てきます。


(2006年12月1日)


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