(18) 今年の初審判
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 今年の「初審判」は1月7日に行ないました。GBN大会の決勝トーナメント公式戦でした。

 一人制審判の依頼でしたが、我々のトレーニングを兼ねまして二人制で行ないました。両チーム実力互角で4回までは2−1の好ゲームでした。5回の表に2ラン、さらに1点が加わり4−2で試合は終了しました。

 13時からの試合でしたが風も止み、気温も上昇して朝の寒さから想像できない良いコンディションになりました。

 球審は久しぶりで3回の表ごろから喉が痛くなりました。それに気温が上がってきたので水分も欲しくなりました。暮から正月にかけての不摂生が如実に現われました。しかし5回の表裏が終わったころから元気が出てきました。後2回で終わりという先が見えてきたからです。

 この試合でいつも使っているインジケータを忘れてしまいました。別なものを使用したところなぜか違和感を覚えるのです。目線を落としボールから眼を切る機会が多くなりました。それでも相棒(塁審)がいるのでなんとか乗り切りました。これが複数審判の良いところです。

 ところが一人制ですとこのようなことは出来ません。その結果インジケータが違うだけで審判のリズムが狂ってくるのです。

 以前にボール袋を忘れて一人審判を行ないました。もちろんブラシもありません。ボールはコートに入れましたが、それでも気になって仕方がないのです。反省が多い審判となってしまいました。

 選手の皆様もグラブやバッドが違うだけでも気になると思います。その結果、打てなかったり、エラーしたりしますと悔やまれると思います。

 審判の7つ道具(マスク、インジケータ、プロテクター、レガース、ボール袋、カップ、ブラシ)のどれか一つか欠けても審判に影響が出ます。

 あぁ、肝心の審判用スパイクを忘れました。帽子もありましたね。もう忘れ物はないでしょうか。結構気を使うのです。

 試合が終わった後の審判員の忘れ物ナンバーワンは「マスク」です。その次はインジケータ、ブラシ、コートと続きます。中にはカップを忘れていく人もいます。それもトイレの中です。詳しく書かなくても分かりますね。

 試合が終わった後の審判員の頭の中は「真っ白」になる時があります。それは緊張感から解放されてホットとするからです。実は忘れ物も多いのもその影響ではないでしょうか。

 特に一人制審判の時は「真っ白」の状態が長く続きます。正常に戻すには早くその場から離れることです。私の場合は車の中でお気に入りのCDを聞くことにしています。さだまさし「北の国から」ヴァージョン。

 今年の初審判の出来は50パーセントです。後の50パーセントは塁審の相棒が補ってくれました。合計100パーセントになりました。ありえないことですが初審判なのでご祝儀と思ってください。

 試合が終わって相棒との会話です。
「いい試合だ。両チームともいいチームだ」
「イヤー、一人審判でなくて良かった。良かった」
「一人審判やりたくなぃー」
「今年は二人制をやりましょう」
 と、言いながらシーズンに入ると一人審判をやることになります。

『公認野球規則【1・01】一人ないし数人の審判員のもとに行なわれる競技である』。
 やはりこの規則は納得できない。「一人」は削ることはできないか。そんなジレンマと付き合いながらシーズンに突入していきます。


(2007年1月15日)


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