スポーツ博覧会
スポーツ・ライター 玉木正之


「サタデーリーグ」トップページへ
前ページへ


 ■11 ゴルフ韓国勢の強さとビアポンについて考える

 日本のプロ・ゴルフ界は、数年前まで人気低迷が危惧されたが、最近は事情が一変。
 男子は石川遼や池田勇太、女子は宮里藍、宮里美香、横峯さくら、諸見里しのぶ、古閑美保、馬場ゆかり……等々、スター選手の台頭で活況を呈している。

 が、それ以上に世界のゴルフ界を席巻しているのが韓国の選手たちだ。
 2010年日本ツアーの賞金王は、男子が金庚泰、女子が安宣柱で、どちらも韓国勢。米国ツアーも女子は09年の申ジエに続き崔羅蓮が韓国人2年連続賞金女王に輝いた。
 特に韓国女子ゴルファーの強さは圧巻で、米国ツアー賞金ランク上位50人中17人が韓国勢。14人の地元アメリカ勢を上まわった(日本人は3人)。

 韓国は国立ゴルフ専門高校をはじめ、小学生から大学生まで国を挙げてエリート・ゴルファーの育成に力を入れている。その結果アジア大会では、06年ドーハ大会、10年広州大会と、2大会連続して男女の個人団体全4種目で優勝。2012年のロンドン大会からは、ゴルフが五輪の正式競技になることも決まっており、そこでも韓国勢の優位が予想されている。

 ここで話題を転じるが、ビアポンという「スポーツ」を御存知か? ビールの入った紙コップを10個、細長い机の両端に三角形に並べ、2人1組の2チームが、机の端からピンポン球を投げる。コップに入れば相手にビールを飲ませてコップを除く。全部のビールを飲ませれば勝ち…という単純で楽しい遊びだが、年に一度ラスベガスでのワールドシリーズは賞金5万ドル。
 最近日本でも予選が行われ、来年は日本代表が参加する。
 ゴルフも、もともとは羊飼いが杖で石ころを打って遊んだ楽しいゲーム。はたして韓国はビアポンも国を挙げて選手育成をするのだろうか?


(「損保のなかま」2011年2月1日付より)


「サタデーリーグ」トップページへ
前ページへ