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[13]買い物は商店街で

 夕方50円切手かどうしても必要になりました。近所の商店街に切手を売っているお店はないかと探し回りましたがありませんでした。

 商店街の中をぶらぶら歩いていると「プーン」と焼き鳥のいい匂いがしてきましたので、思わず10本買ってしまいました。

 そのお店で何気なく「どこかに切手が置いてあるお店はないでしょうか」と聞いてみました。

「ないけど。家にある切手わけてあげるわ。そう50円切手1枚ね。お父さん50切手お客さんに分けてあげて。なに、10円切手しかないの。何でもいいから5枚もってきて」

 焼き鳥を売っているのか、切手を売っているのか分からなくなってきました。この焼き鳥や屋さんは結構繁盛しておりまして、時々行列ができるのです。
 本来ならば「切手売っている店はないわ」で片付けられるのです。が、ここが個人商店のいいところです。

 スーパーなどでは品物の質問をしても、きちんとした答えが返ってきません。先日も調理の方法を聞いたら「いろいろありますからよく説明書を読んでください」こんな答えしか返ってきません。

 わたしも商人の家で育ちましたから、忙しい時間帯に商売以外のことに「気を取られる」のはとてもいやなのです。それをむげに断らないで対応できるのは、個人商店の強みであります。小回りが利くということです。

 お客さんが困っていることにお役に立つ、これが個人商店の「強み・魅力」ではないでしょうか。

 ついでに並びの酒屋さんに行きまして。
「来花粉症に効くお酒ありませんか?」と聞きましたら。
 なんと、なんと3名の店員さんがマスクをしているではありませんか。
「お客さん。ありますよ。ありますよ。酔って眠れば花粉症なんか治ってしまいますよ。うちでは全員が飲みすぎまして花粉症になりましてね」(笑い)

 このお店は、全国の銘酒が置いてある結構流行っているお店なのです。また、こちらの注文に答えてくれるのです。先日もこんな注文をしました。
「熱燗で飲みたいのです。値段が安く、美味しいお酒ありますか」
「あすます。あすますよ。三拍子そろったお酒あります」
 こう言われますと多少高くても買ってしまいます。気のせいかも知れませんが美味しく飲めるのです。

 スーパーやディスカウントは、確かに品物も豊富で値段も安いものがあります。だが個々人の要望は満たされないことがあります。ついつい大量に買って、安いから我慢して食べたり、飲んだりしてしまいます。

 もうこれからはスーパーやディスカウントの時代ではないと思います。街の商店街の活気づく時代が来るのではないでしょうか。


(2005年4月1日)


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