思うがまま…II

臼井淳一
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(17)高校野球審判10試合観戦から学ぶ

 20数年前、息子が高校で秋季大会・夏の大会と投げていた時は、心臓をドキドキしながら観戦しました。特に僅差で勝った試合などはブルブル震えながらビデオを撮りました。(完全な親ばかでした)

 特に夏の大会で負けた時は、神宮球場の選手出入り口で3年生が眼を真っ赤にして出てきた時には、わたしも胸にグット迫るものを感じました。

 今回の観戦は20数年ぶりです。「サヨナラ試合」も「あれ、おわったの?」と分らないほど、審判員中心に観戦しました。


多摩市一本杉球場
秋季東京都高等学校野球大会・多摩市一本杉球場(10月10日)

 10試合観戦をして、まず思ったことは、20数年前と比べて格段に素晴らしい審判員ばかりだということです。20数年前は偏った見方をしていたかも知れません。

 審判員の見方を1塁審判中心・2塁審判中心・3塁審判中心・球審中心とその試合によって分けて見ることにしました。全体を見てしまうとプレーにおける瞬時の判断を審判員がどのように動くのが分らなくなるからです。

 場所も一塁側・三塁側・バックネット裏と分けて見ることにしました。また全体の審判員の動きを見るためにバックネット裏最上段でも見ました。

 塁審に関してはやはり甲子園の審判が統一されていました。見る角度・タイミングも素晴らしいと思いました。やはり全国から選ばれた審判員だと思いました。

 東京都大会の塁審は上手な方もおりましたが、オーバーアクションの「アウト」がいまひとつ形にはまっていませんでした。やはり基本どおりやっておられる方がとてもきれいに見えました。

 球審に関しては、わたしが10試合見た限りでは、甲子園大会・東京都大会も遜色はありませんでした。とくに東京都大会では「二丁拳銃・ボール入れを左右につける」球審を見ました。

 きちんとしたスロットスタンスで、動きがハツラツとしていて、ゲームコントロールが抜群に上手でした。選手に対する注意も「的」を得ていました。私たちも見習う点が多くありました。

 また、ホームでの「アウト」もボールを確認して、素晴らしいタイミングでコールをしていました。

 球審の方でインジゲーターを持っていない方を見ました。スコアーボートがあるので必要がないのか、それとも球審に集中するために持たないのか、いいわるいは別にしまして新しい方法だと思いました。

 4人制審判ですが、高校生には足の遅い選手がいないため、長打の時の触塁の確認とホームベースを含めた各塁のカバーリングは油断いたしますと、落とし穴になります。それぞれ息がピタリ合うアンパリングテクニックをきちんとやっておられました。

 高校野球審判を10試合観戦して一番の収穫は、審判の基本に忠実にやっておられることでした。われわれ派遣審判員は時として「審判の基本」を忘れがちになります。

 やはり毎年、毎年「基本に立ち返る」ことが審判員にとって大切なことです。シーズンが終わりますと、当協会でもいろいろに講習会に参加して勉強している審判員も多数おります。

 10試合観戦して私も、11月以降の審判はすべて基本どおりにやろうと心がけています。実際やってみますととても新鮮に感じ、アンパリングに幅ができた感じになりました。

 面白いことに基本に忠実に球審・塁審をやりますと、普段使っていない筋肉が痛くなります。ここでも基本の大切さが再確認させられました。

 時々「甲子園の高校野球の審判はできるのですか?」と聞かれることがあります。
答は、ノーです。高校球児が甲子園に行くより難しいです。

 これから若い人が甲子園審判員を目指すならば、一番の近道は東京6大学の野球部に入ることです。そして母校の練習試合の審判を積極的にやることです。または高校野球卒業後・大学野球卒業後に甲子園審判を目指す方法もあります。

 地方では軟式野球・高校野球・大学野球・社会人野球のすべて同じ連盟で審判を受け持つところもあります。ここからも目指す方法もあります。
 東京のようにすべて野球組織が違うところは高校野球・大学野球卒業後に甲子園審判を目指す方法に絞られると思います

 日本のプロ審判・メジャー審判は、若く「やる気」があれば誰でも挑戦だけはできます。だが甲子園審判員のハードルは高く「やる気」だけでは実現しません。まぁその辺はいろいろありまして一口には語れません。

 余談ですが、故・平光清審判員は高校野球(全国高等学校野球選手権大会)・東京六大学野球・都市対抗野球・プロ野球の4つの審判を勤めた史上唯一の審判員であります。出身校は慶応です。

 私の知人で「高校野球は審判の原点」という人がおります。ご自分の審判の合間に春・夏と10年間も甲子園に通い続けいます。この方の「情熱」は私には真似できませんが、これからも機会があれば高校野球を観戦したいと思います。

 最後に本当に大阪・兵庫の人たちは「おもろい人ばかりです」2012年4月にはまた甲子園に行きたいです。


甲子園
第93回全国高等校野球選手権大会・8月10日・甲子園


(2011年12月1日)



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