作 臼井 淳一


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 (6)庶民の痛みがわかります

 わたしには「尿管結石」という持病があります。この病気と出会いは19歳の夏の朝です。ものすごい激痛が下腹部に走り、トイレにいくと血尿がたらたらとでました。すぐに横浜医大病院へ。ここでの検査の模様はあまり話したくないのですが、知りたいという読者が大勢いますので書きます。

 理髪店の椅子のような「検査椅子」に座らされて、オチンチンに針金のようなものをさしこまれたのです。わたしは恥ずかしさを通り越して「恐怖感」を覚えました。医者が「はいー。楽にしてお尻をもちあげてー」。と繰り返し、少しづつ針金をいれていくのです。
 もちろんわたしには「未来」がありますから麻酔はかけられません。痛いのを通り越して失神しそうになりました。約1時間後「あった。あった。立派な結石だ」。そのあとがあるのです。

 「おーい。みんなこい」。の声に。ぞろぞろインター生が入ってきました。
「ほら。よくみろ。はい!つぎ!」と。つぎからつぎに「検査椅子」をみにくるのです。そのうち女性もぞろぞろとくるのです。美人のインター生みられたときは、羞恥心が怒りに変わりました。
 そのときわたしは「19歳までの人生は羞恥心で終った」とつくづく感じました。

 あぁ。まだあるのです針金をぬくお話。もうやめておきます。
 
 その後の人生でいろいろな検査をやりましたが「びくっとも」しませんでした。こんな野蛮な検査をやる「医大」と名のつく病院にも二度といくこともありませんでした。
 
 話しは元にもどりますが、この持病は2年〜3年周期でやってまいります。最近ではすっかりなれてしまい。激痛がきても「おっ。きたきた。2、3時間がまんしょう」。水をかぶかぶ飲み。医者にいき、薬をもらい。トイレで「ポロリ」と結石がでてきます。とてもきれいな石です。

 そんなことより、いま一番痛いのは、医療費が3割負担になったことです。「病気もち」の人にとってはこれほどの「激痛」はありません。小泉首相は「痛みをわかちあう」などといっていますが、一度でいいですから「針金」をあなたのオチンチンにいれてください。庶民の痛みがわかります。

(2002年7月15日)



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