【1】ウィスキーが少し入った「紅茶」
作  臼井 淳一
挿絵 金光 敏博


 ここ10年くらい「中高年」の山歩きが流行っています。
 その中でも3対1の割合で女性が多いですね。
 「子育てから」からも「亭主」からも解放されて、やっと自分の好きなことができるからだと思います。
 電車の中で「山仕度」をした中高年のグループを見ておりますと、「あぁぁ、私にはもう山に登る体力と気力がないなぁ」と羨ましくなります。



きりえ「アルプス一万尺」


 私の初めての山歩きは18歳の時でした。会社の先輩に奥多摩に連れていってもらいました。奥多摩のどこの山に登ったか忘れてしまいました。なにしろ天気が悪く、小雨の中を歩いただけという印象しかありません。ただ、強烈に覚えていることはウィスキーが少し入った「紅茶」がとても美味しかったことです。

 これが「ヤミツキ」となり、結婚する時に下宿の部屋には、山の石、山の道具、山の本しかありませんでした。もちろん預金なんてものはなく、全て山につぎ込んでしまいました。

 これほど好きだった山を結婚してからは、本格的・山登りをやめてしまい、山歩き程度になりました。それも10年もするとピッタリやめてしまいました。

 これから私の青春時代「山歩き・山登り」を思い起こし、書いていこうと思います。

 挿絵は友人の金光さんが書いたものです。実はこの連載は、この挿絵が「主役」で、私の作文は「その他一同」だと思って読んでください。

[2001年1月] 



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